お食い初め用のお祝い膳は、両方の先端が細くなっていて「両口箸」とも呼ばれます。
それは、一方は神様用、もう一方を人が使うためで“神人共食|しんじんきょうしょく”を意味しています。
神人共食とは神とともに食事をする、あるいは神の食べたものを自分も食べることにより
その力や利益を得ようというものです。
両方とも使えるからといって、ひっくり返して取り箸にしたりするのはタブーです。
お食い初め用に茶碗、お椀、箸などはすべて新しい物が使われるのが正式です。
お食い初めの大事な箸がお祝いの席で折れたりするのを忌み嫌うため、丈夫で折れにくい柳の木が使われています。
また、柳は水で清められた神聖な木とされ、春一番に芽吹くめでたい木とされています。
そのため「柳箸」ともいわれ、縁起良く「家内喜」と書くこともあります。
祝い箸は末広がりの八寸で縁起良く、「両口箸」「柳箸」「俵箸」とも呼ばれていて、祝い事には欠かせない箸なのです。
「俵箸」と呼ばれるのは、五穀豊穣を願って米俵を模し、中ほどが太めにできているから。
また、「はらみ箸」と呼んで子孫繁栄を表したり、「太箸(たいばし)」と呼ばれることもあります。
お祝い事には柳箸が使われるのが正式です
お正月に、箸袋に一人一人の名前を書いて正月三が日おせちを食べるのもこのお箸です。
結婚式、成人の日、桃の節句、端午の節句など晴れの日の祝儀などにも使われます。